咳(せき)について

まずは原因を考える

咳嗽(がいそう)は病院受診の最も高い症状と言えわれています。

咳(せき)がどのように発生するかは十分な解明までには至っていません。

咳の出る原因は大きく分けて以下の3つに分けることができます。

(1) 気道に外界からの刺激物質が入り込むことによって、それを排除する生体防御応(咳反射)として咳が出るというケースがあります。

異物を出すために咳をするのでれば、咳止めを出して咳を単純に止めるという治療は間違っているとも言えます。異物の種類がアレルゲン(アレルギー物質)であれば喘息の治療、最近であれば気管支炎の治療、胃酸であれば胃酸逆流が原因であるので胃酸を抑える治療が必要です。このようにそれぞれの治療をしなければ咳は止まりません。

(2) 十分な咳が出ないために出る咳もあります。

高齢に伴い、気道における咳反射の低下が起こります。その結果、食物を誤嚥
してしまい誤嚥性肺炎を発症します。肺炎を起こして咳が出るのです。肺炎を治療
しなければ咳は止まりません。

(3) 何らかの原因で咳反射が亢進し咳が止まらないケースが有ります。

感冒後の咳がその中の一つかもしれません。この場合には鎮咳薬(いわゆる咳止め)で対応するのが妥当でしょう。

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急性咳嗽(がいそう)・遷延性咳嗽・慢性咳嗽

咳の持続時間で咳を分類することができます。

3週間未満を急性咳嗽、3週間以上8週間未満を遷延性咳嗽、8週間以上を慢性咳嗽と分けます。

(1) 急性咳嗽

感冒などの感染性疾患が多く、特に治療しなくても治癒してしまうことも少なからずあります。いわゆる市販薬で治ってしまうケースです。

ただ急性咳嗽の中には急性心不全や肺がんなど見過ごすと命取りになるケースも有るため、とくに中高年以降の方は注意が必要です。後に述べる慢性咳嗽の初発症状の場合もあるので、病気を見分けることが非常に重要な時期であると考えます。

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(2) 遷延性咳嗽と慢性咳嗽

咳の種類によって原因疾患を2つに分けることができます。

頻度別では、咳喘息(36%)、アトピー咳嗽(29%)、副鼻腔気管支症候群(16%)、胃食道逆流(2%)です。咳喘息については、こちらのページをご覧ください

アトピー咳嗽は咳の感受性が亢進し発生する咳嗽です。咳喘息と臨床症状は同じですが、呼気中の一酸化窒素(NO)は上昇せず、気管支拡張薬が無効で抗ヒスタミン薬とステロイド吸入薬が有効です。また、咳喘息と異なり喘息には移行しないので長期管理は不要です。

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