気管支喘息・咳喘息の病気・治療

喘息ってどんな病気?

繰り返し発生する咳やゼーゼーする呼吸を特徴とする病気です。夜間や早朝に増悪するケースが多く見受けられます。夜間には気道を狭くする神経(副交感神経)の働きが活発になるためです。

喘息発症の原因としては、気道が炎症により刺激に対して過敏になり、その結果、気道が狭くなることが考えられます。

喘息は必ずしもゼーゼーするとは限りません。気道が強く狭くならなければ咳のみが症状の場合もあります。それを咳喘息といいます。放置すると気道が本格的に狭くなり、ゼーゼーする喘息に至るケース(30%)もあります。

診断について

喘息を診断するための明確な診断基準は現在のところありません。

気道に炎症があること、気道の過敏性が高まること、薬剤を用いて気道の狭さが元に戻ることなどを証明すれば診断できます。しかし、日常診療においてはその実施は難しく、症状・呼吸機能検査(ピークフローなど)・治療に対する反応から診断せざるを得ませんでした。

当院では、2014年08月から呼気中の一酸化炭素(以下NO)濃度測定が可能となり、喘息の診断から管理までを科学的に行えるようになりました。喘息では、主にアレルギー性(好酸球性)の炎症が気道で発生します。その炎症によって気道の上皮細胞内に誘導型NO合成酵素が発現した結果、NO産生が増加します。呼気中のNOを測定することによって気道のアレルギー性炎症の有無、つまり喘息の有無が確認できます。そして、その数値は喘息のコントロールの指標にも使えます。値が下がればコントロール良好、上昇すればコントロール不良といったようにです。咳が止まらない方がいらっしゃいましたら後述の肺がん検診とともに検査をおすすめします。

咳喘息の簡易診断基準

  1. 喘鳴を伴わない咳嗽が8週間(3週間)以上持続
    聴診上も気道狭窄音を認めない
  2. 気管支拡張薬が有効

「咳嗽に関するガイドライン」より

治療について

気道の炎症を沈める治療が最も重要です。中心的な治療がステロイドの吸入療法です。ステロイドの内服治療と違い、全身への影響は極めて少なく安心して使用できます。ステロイドは抗炎症効果が非常に強く、吸入することによって気道に直接作用し炎症を抑えてくれます。その結果、喘息の症状が消失します。

症状が消失しても気道の炎症が良くなっていない場合があります。その場合、吸入治療を中止すると再び症状が出てくる可能性があります。当院ではNOを測定しながら治療をすすめることができるので安心です。

症状を見ながら気道のアレルギー性炎症を抑えるため抗アレルギー剤を併用します。症状が重い場合には、吸入薬の効果が現れるまでの短期間だけステロイドの内服治療を行うこともあります。

喘息の治療をしっかり適切に受けていないと、気道が狭いまま硬くなって治らない喘息になります。そうならないように定期的に通院しましょう。

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診療時間

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