睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)・いびきの治療
睡眠時無呼吸症候群ってどんな病気?
睡眠中に無呼吸や低呼吸を繰り返し、熟睡できずに日中の過度の眠気を来すだけではなく、夜間突然死などとの関連が指摘されています。健康と思われる成人の中にもSASの患者さんは数多く、人口の2~3%と推定されています。
症状について
呼吸が10秒以上止まっている(無呼吸)または、呼吸の大きさが著しく低下(低呼吸)します。
習慣性の強いいびき、夜間にトイレに何度も起きる、起床時の頭痛や日中の眠気・倦怠感などが代表的な症状です。
いずれかに心当たりのある方は検査をおすすめします。
SASは上記症状以外にも、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病と密接な関係があり、様々な合併症を高率に発生させます。
診断について
SASが疑われた場合、まずはご自宅で簡易検査を行います。鼻カヌラと指にSPO2(酸素飽和度)を測定する器械を装着していただきます。その検査で異常値が出た場合には、睡眠時の脳波を含めた精密検査を行います。
治療
軽症の場合は減量や生活習慣の改善などにより症状が改善する可能性があります。
しかし、ある程度進んだ症状の患者さんは、ひどい眠気のため気力が低下し、減量や生活習慣の改善にもなかなか前向きになることが出来ません。こうした患者さんにはCPAPという装置を用いた治療が必要です。
CPAPとは鼻に装着したマスクから空気を送り込み、一定以上の圧力を気道にかける装置です。それにより気道が広がり、いびきが無くなった結果、熟睡が可能となります。
いびきが無くなったら、どうして熟睡できるのか?
いびきにより息が止まったり(無呼吸)、息が小さく(低呼吸)なったの結果、血中の酸素飽和度が少なくなり、眠っている間に脳が酸欠に陥ります。そのために脳が眠れないのです。CPAPを装着することにより、いびきが減少し、眠っている間、脳に十分な酸素が回るように成るのです。それにより脳が休まる、つまり熟睡できるようになります。
CPAPはメーカーからのレンタルになります。医療機関が1回/月でメーカーに一括で納めます。治療効果確認のため1回/月の割合で通院していただくようになりますが、その際にレンタル料等を徴収させていただきます。そのため1回/月の通院をお忘れなきようお願い致します。